癒着の改善に最も有効なのは、意識的に動かすことですが、意識的に動かすということがどういうことかを解らなければできませんし、癒着している状態を把握しなければどうしていいのかわかりません。
そこで役立ってくるのがタイチーやヨガの動きです。
その他にもピラティスなどたくさんのワークや、ロルフィングなど、直接的に筋膜にアプローチする施術もありますが、ここでは私も経験している、タイチーとヨガをサンプルにお話しします。
なんでもそうですが、最初から先生と同じように動ける人はいません。
先生との違いがめやすになるところが動きを教わるいいところです。
タイチーはなんとなく同じ動きはできるようになりますが、ゆっくりとした、力みのない動きの連続なだけに、なかなか魂が入った動きができません。
逆に力強い動きや、素早い動きのあるものは魂が入った風にすることがしやすいのです。
しかし実際に「推手」という方法で先生や先輩と手を合わせて試してみると、力の入れ方や、出し方、方法が全く違うことに気づきます。
それはタイチーの動きの要素、姿勢や力の抜き方、動きの手順など、身についていれば、自然と出てくるもののようです。
もちろんそのための練習は必要ですが、基本は形の中で練習できるように構成されています。
さて、そのタイチーがなぜ癒着と関係あるのかと言いますと、一つ一つの関節に〝ここぞ〟という動きや位置があって、熟練者はそれが身についているため、魂が入った動きになってくるのです。
その〝ここぞ〟が明確になっていく過程で、関節の癖や癒着がとれていきます。
特に体幹部を固定し、背骨を立てた状態をキープしながら体重を移動し一連の動作をおこなっていくには股関節をフル活用しなくては、できません。
タイチーの要諦(重要な事)に、
①力まずにうなじを伸ばし、頭頂を意識する
②尾骨を巻き込むよう意識する(腰を反らず、しりを締める)
③両目、両肩、両股関節、両膝を水平にする
④胸を張らない
⑤つま先と膝の方向を合わせる
などなど・・・
内面的な事や、細かい技術を含めればまだまだたくさんの要点があると思いますが、この5つだけでも大変なことです。
これらのおおもとになるのが、下腹を締め股関節を使って歩く動作です。
ウナギをさばくのに、まず目を一突きして固定します。
それから一直線につー・・・とおろします。
癒着をとるとすれば、どこか一点を固定して、その他を動かすのが合理的なわけです。
解剖学的にも、力学的にも中心になる場所、骨盤、さらにその中心は肛門を締め上げたあたり、いわゆる臍下丹田になるでしょう。
中心を意識して上の5つの動きを生活のなかでおこなうことができれば、からだの癒着はどんどんとれていくでしょう。
neutral base(ニュートラルベース)山下洋平
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