2014/01/22

意外とよくある癒着


癒着、なんていうと大きな手術後や、やけどの後をおもう方もいると思いますが、実はほとんどの人のからだの中でおこっていることです。

最近からだがかたくて、とか、長時間同じかっこうで仕事などした後、痛たっ、ということがあるものですが、筋肉や腱、筋膜(筋繊維をアメの包み紙のように覆うもの)の癒着が関係しています。

関節周囲の骨折をされた方はご存知かと思いますが、骨折に関係する関節をギブスやシーネで固定します。
場所や方法によりますが、約1か月固定すると、見事に動かなくなります。

これは筋肉が衰えたためではなく、癒着によるものです。

実際、私も肩関節、肘関節を約5週間固定された経験がありますが、肩、肘とも、可動域は10~20%ほどに低下しました。
100%の可動域と比較すると、全く動かないという印象で、痛みとあせりで冷汗が出る感じです。

当時は鍼灸学校に通っていたこともあり、皆の実験台になりながら、ひと月ほどで、生活に支障はなくなり、半年ほどで、左右同じ可動域に回復しました。

ここで、注目すべきところは、たった5週間で、癒着がここまで進むということです。
この場合は、骨折・固定、というわかりやすい過程がありますが、実は日常の中に、この固定と同じようなことがほんの少しずつおこっているのです。

関節を可動域いっぱい使うことは日常生活ではあまりありません。
特に座ることの多い現代生活では、股関節を曲げたままの状態で、過ごすことが一日の大半ではないでしょうか。

すると、曲げた状態で固定されるのととても似たことがおこります。もちろん完全な固定ではありませんので、状態は様々ですが、ほとんどの方にあるのが股関節をわずかに曲げた状態での癒着です。

この癒着により起こることは、見た目では、でっちり、下腹ぽっこり、反り腰や極端な前かがみ姿勢、ぎこちない歩行など。
症状として出やすいのは、腰痛、背部の凝り、O脚、夜間股関節痛、痔、内臓下垂、など多岐にわたります。

このような癒着は身体の各部で、少しずつおこってくるもので、あまり気づくことができません。

しかし、温泉などに行って、子どもとお年寄りを見比べると、(ごめんなさい)一目瞭然です。

この「癒着」に着目して施術をおこなうことで、快適なからだを維持するお手伝いをしております。


                neutral base(ニュートラルベース)山下洋平


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