振り返ると子供のころから人の構造が好きだったようです。
ヒポクラテスは「人は部分の寄せ集めではない」と言ったそうですが、何か不思議な宇宙を感じずにはいられないのが人間です。
長いことマッサージや指圧、はり灸、運動療法など行っていますと、解剖学で習う「皮膚」とか「筋肉」といった概念ではないものが芽生えてきます。
触れているのは部分ですがそこから常に全体を見ているような感覚です。
施術も(マッサージやはり灸などを人に施すことを施術といいます)「マッサージ」とか「鍼」とかの言葉で表現できないものへと変化します。
ですから、「鍼灸マッサージ師です」と自己紹介するとき、いつももどかしさをおぼえます。
鍼灸やマッサージは当然からだにするものですが、「body=ひと」
ではありません。
body, mind, spirit という言葉がありますが、まさにこれを感じずには施術はできません。
そしてここにもう一つ、vital force(気、エネルギー)を加えたいところです。
小さな宇宙のモデルのような一つの細胞が何十兆と集まってできているわけですから、目で見えることだけでわかる存在ではないでしょう。
日本から出てしまえば、鍼灸マッサージ師、という国家資格は関係なくなりますが、培うことができた経験は私のなかで生き続けます。
これからの出会いと経験を想うと、楽しい気持ちです。
neutral base(ニュートラルベース)山下洋平
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